仕事ができる人がどうして「できる人」なのか、考えたことがありますか?
結論から言うと、できる人の理由の一つが、「自分の仕事の幅より、広い幅の仕事ができるから」です。
広い幅の仕事といっても、どこまでも広くすると際限なくなってしまうので、まずはひとまわり広くします。
もう少し具体的に言うと、自分の仕事の一つ前の仕事と、一つ後の仕事を把握することです。
言い換えると「前の人のことを考える」のと「次の人のことを考える」です。
こうすることであなたも「できる人」の仲間入りができます。
ひとまわり広い仕事をする
できる人は自分の一つ前と後の仕事をきちんと把握しています。
例えば、あなたが製造業の営業の仕事をしていて、主に外回りして仕事を取ってくることだとします。
一つ前の仕事は、お客さんが営業(あなた)に発注することです。
一つ後の仕事は、営業(あなた)が受注したものを、工場が作ることです。
一つ前の仕事を把握するとは、こういうことです。
営業が一つ前の仕事、つまりお客さんの発注業務のやり方を把握しておくと、お客さんが発注しやすくなります。
・お客さんがどういう手順で発注するのか。
・どういうタイミングでやるのか。
・会議をいつやって、稟議書がいつ回り、承認がいつ降りるのか。
・金額がいくらなら稟議が必要で、どんな書類がいるのか。
そういった自分の仕事の前の工程を把握しておくと、逆算でこちらがいつまでに何をしたら良いのかわかります。
だからスムーズにお客さんに、見積書や契約書や図面など、お客さんが欲しいときに欲しい情報を提供できます。
お客さんからすると「仕事がやりやすい」わけです。
一つ後の仕事だとこうなります。
営業が受注した後の工場サイドの仕事の仕方を把握しておくと、工場がスムーズに進みます。
・書類がどう回るのか。誰が見るのか。
・実際の製作に必要な図面や仕様書などを、具体的にいつまでにそろえなければならないか。
・そのための打ち合わせをいつまでに終えなければならないか。
・モノを作る手順、期間、検査などの工程を把握しておき、急な客先要求変更に対応できるのはいつまでなのか。
こうした自分の後の工程を把握しておくと、工場再度から見ても仕事がやりやすくなります。
別の例だと、事務員さんが電話を取ったときに、お客様から商品不具合の問い合わせがあったとします。
本来は電話を取った人が、相手の会社名、名前、電話番号、問い合わせの商品名、ロット番号、不具合の内容を聞き取りしなければならない場合に、「どうせ別の営業担当が再度問い合わせし直すのだから」と適当に話を聞いてしまうのはNGということです。
会社名なら前株、後株かをきちんと聞く。
名前なら漢字まで確認する。
ロット番号をきちんと確認するなどです。
「どうせ再度確認するんでしょ?」とか「よくわかんないけど、後は営業の人に振っちゃえばいいよ」といった気持ちで、営業担当に引継ぎするとどうなるでしょう?
営業担当は再度お客様に電話する必要があるし、お客様は「さっきの電話で聞いてくれよ・・・」と思うかもしれません。
ついては、電話を最初に取った人に対し、「あいつ使えないな・・・」という印象をお客様と営業担当の2人から持たれてしまいます。
でもそんなことは、営業担当もお客様もわざわざ最初に電話を取ってくれた人には言いません。
でも心象が悪くなっている。
前株か後株か、漢字まで確認するのは、営業担当の仕事なのかもしれませんが、最初に電話を取った人が、一つ前のお客様、一つ後の営業担当のことを考えて確認しておいてくれると助かるものです。
小さなことですが、これも「ひとまわり広い範囲の仕事」になります。
他の業種や職種でも、自分の仕事の幅より一つ広い範囲を把握しておくのは同じです。
例えば、プロ野球選手はストライクゾーンだけを上手に打てるのではありません。
ストライクゾーンより一回り広いゾーンをうまく打てます。
多少ボールの球でもヒットを打てるし、人によってはホームランにできます。
だからピッチャーは少しでも打ちづらくさせるようギリギリを狙うのです。
ストライクからボールに逃げる球や、逆にボールからストライクに入ってくる球を投げるのです。
この場合バッターがストライクゾーンより一回り広い範囲を打てると「できる人」です。
ピッチャーにもストライクゾーンより一回り広い範囲に投げられると「できる人」です。
いずれにしても一回り広い範囲で仕事ができるから「できる人」になるわけです。
まとめ
できる人になるには、自分の一つ前の仕事、一つ後の仕事を把握しておきましょう。
「次の人のことを考えて」とよく言われます。
仕事においても同じです。
仕事の場合は、「前の人のことも考えて」を追加するとよりよくなります。
あなたは前の人のこと、次の人のことを考えていますか?
一回り大きい仕事ができてますか?
あなたの成長のお役に立てれば幸いです。
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