あなたは出世したいですか?
出世したいと思ったなら、なぜですか?
偉くなりたいからですか?
給料が増えるからですか?
何となくですか?
一つだけ言っておくと、社内の出世だけを目的にすると間違えます。
あなたの人としての価値を下げることになるかもしれません。
その理由を書いていきます。
出世を目的にすると間違う
よく言われる「出世」というのは、係長、課長、部長になることだと思いますが、本来の出世は違うと考えています。
世に出ることが出世です。世に出るとは、社内から社外へ出ることです。もっと言うと独立することです。社内の役職が上がることではありません。この認識はほとんどの人に無いように見えます。
ただ、今回は一般的に認識されているように、出世を役職を得ることとして進めていきます。
この役職を得る出世だけを、会社人生の目的にすると間違います。
どういうことかと言うと、係長、課長、部長はその社内での役割や呼び方を指し、基本的にはその社内だけで通用するものです。社外の世間一般の世の中で通用するとは限りません。
社内で通用するということは、社内で求められていることを達成したり、今後達成する見込みがあるから、○○長という役割を与えられ、それに応じた権限と責任、報酬を与えられるのです。
この「社内で」というのが曲者です。
「世の中で」求められていることとは違う場合があるということです。
「社内で」は言い換えると「上司に」となります。
ここで、「上司に」求められていることが、上司への忖度だったり、上司の言いなりになったりすることだったらどうでしょう?
「社内で」出世はするかもしれませんが、「世の中で」求められていることとは違った方向に行ってしまう可能性があります。
例えば、出世のために行われる、世の中的には間違った行動は次のようなものがあります。
1.誰かを陥れる
上司が気にいらない誰かを陥れる
2.嘘をつく
上司が気に入らない人が不利になるように嘘をつく
3.陰口を言い、社員同士を疑心暗鬼にし、結束を解く
上司以外の誰かの評判が良くなりそうになると、釘を刺すようにネガティブキャンペーンをはる
4.手柄を横取りする
上司が「俺が何でも一番だ」というちっぽけな自己満足を満たしたいために、他の人の手柄は一切許さない
5.仕事を押し付ける
本来上司がやるべき仕事なのに「目立たないわりに手間のかかる仕事はしたくない」という理由から、誰かに押し付けて自分はやらない。でも成果が出そうになったらもちろん横取りする
6.お気に入り、言いなりになる人だけ査定を良くする、役職を与える
役職を与える基準は本来、会社の目標達成へ向けて貢献できるかや能力を発揮できるかどうかなのですが、基準はお気に入りか言いなりになるかになってしまう
・・・まあ色々あります。
こういう人は「社内で」出世はできるかもしれませんが、「世の中で」は評価は得られないでしょう。社内で高い役職を得ることができても、社内の人から冷たい目で見られてしまいます。信用されてないのがすぐわかってしまいます。誰も言いませんが、何気ない会話の中に、高い役職者に対する嫌悪感だったり、不満感がにじみ出てきてしまいます。だから仕事がスムーズに進まない場面も出てきてしまいます。
でも本人は自分がやってきたことで出世しているので、自分は間違っていないと思ってしまうのです。
だから出世だけを目的にすると間違います。世の中の基準から離れていきます。人間がダメになっていきます。
周りは見ている
「社内で」出世を目的にすると、往々にして「世の中で」通用しません。
周りは見ていないようで、意外とちゃんと見ています。
出世はしたけど、実力が無い人はやがて行き詰ります。
なぜなら、世の中の流れに逆らっているからです。
流れに逆らうと、周りの部下もついてこないし、世の中からも賛同は得られません。
短期的にはうまくいったように見えるかもしれませんが、長期的にはうまくいかないのです。
知人の会社にスピード出世した人がいるそうです。
何でも史上最年少の部長になったそうです。
その人は仕事はそれなりにしていたようですが、とにかく権力者の目に入るような細かい雑務に余念がなかったようです。
・社長の車を洗う
・朝5時に出社して仕事しているフリ
・社内に観葉植物をどんどん増やして丁寧に世話するフリ
・社長からの内線は素早く取るけど、他の人からの内線は放置
・ホワイドボードの字をこれでもかと丁寧に書いて、印象アップを狙う・・・などなど。
一方で、
・部下に仕事は教えない
・部下に問題があっても放置
・部下がトラブルに巻き込まれていても放置
・仕事のことで部下に質問されても、知らないと言えず、別の部署の人に聞くように放り投げる
・仕事は他人に押し付けて放置・・・などなど
典型的なダメ上司というやつです。逃げ切れると思っているのでしょうかね。
当然部下からは総スカンだったそうです。誰も質問にもいかず、朝と帰りの挨拶だけ交わし、後は無言・・・。役職は得ても、世の中的にはダメで、人間的にもダメになってしまったようです。
でも権力者の方は、そんな人となりを見抜いていたのでしょうね。
その方は定年までそれ以上にはならなかったそうです。
別の会社の話だと、知人の会社に「親が支店長だから入社した」人がいるそうです。
話によると面接もなかったそうです。
その人は仕事は大してできないけど、同期よりも2~3年早く、スピード出世したそうです。
「親が支店長だから」だそうです。
仕事がそれなりにできたり、できなくても何とかしようという気構えが見られればよかったのかもしれません。
しかし、そういうのは無かったようです。
わからないことがあっても知ろうとせずに同期に代わりに処理してもらったり。
基本的な勉強をせずに問題を放置したり。
でも親が支店長だから、社内では偉そうな態度を取ったり。
周りの人はそれなりに付き合いますが、仕事の面では頼りにしなかったそうです。
本人ではなく親が出世を目的にした例になりますが、こちらも世の中からも社内からも評価を得らていません。
きっとそのままなのだと思います。
周りは本人が思っている以上に、周りはちゃんと見ているということです。
そういうのを昔の人は「お天道様が見ている」と広く表現したのだと思います。
まとめ
出世を社内で役職を得ることだとすれば、出世だけを目的にするのはやめましょう。
社内で求められていることと、世の中で求められていることが違うのが、役職が上がると人間がダメになっていく理由です。社内で求められていることをいくらやっても、高評価は短期的に終わります。
「世の中で」求められていることをやれば、高評価は長期的に続きます。
世の中で求められていることをしましょう。その結果として出世があり、給料が上がる。この順番でなければいけません。
広く世の中での「出世」をするには、回り道のようですが、実は一番の近道になります。
ただ、それがわかる人が少なすぎるように思います。
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