あなたは良い人になりたいと思いますか?
誰でも素晴らしい人、立派な人とまではなれなくても、せめて悪い人にはなりたくないですよね?
どうしたら悪い人にならず、良い人になれるのでしょうか?
ここで言う良い人とは、信頼される人、という意味としたいと思います。
良い人は周囲から信頼を得ています。そして信頼は得るだけでなく、失わない考え方を持っています。
信頼を失わない考え方とはどういうことでしょう?
その一つが「身勝手を控える」です。
身勝手を控えることで、信頼を失わないでいられます。
身勝手の例
以前こんな話がありました。
ある商品の販売で、メーカー(A社)→ 代理店(B社)→ 販売店(C社)の流通ルートで取引しているものがありました。
代理店(B社)は年々売上が微減を続けていて苦戦していたところ、ある日、仕入れ元のメーカー(A社)に問い合わせがありました。
代理店(B社)「販売店(C社)への商品の販売価格を上げていいか?」
突然の申し出に驚いたメーカー(A社)は、代理店(B社)に値上げしたい理由を聞くと、代理店(B社)は次のように答えました。
代理店(B社)「自分の会社の売上が下がってきてて、全然儲からない。だから利益が出るように値上げしたい」でした。
要するに、代理店(B社)は、「もっと儲けたい」ということらしいのです。
元々の取引の経緯として、メーカー(A社)が、代理店(B社)に、販売店(C社)を紹介したところから取引がスタートしています。
取引に関する打合せなどは、全部メーカー(A社)がやっています。取引に関する打合せとは、見込み客の開拓、問い合わせへの対応、商品PR、カタログ等での商品・性能の案内、価格提示、納期の調整、配送予定の確認・連絡などです。
一方で代理店(B社)が担っているのは注文書、納品書、請求書のやり取りのみです。
また、流通に関して、販売店(C社)にはA社から販売するルートと、B社から販売するルートの2つのルートがあります。ルートは商品で区分けをしています。
商品は大きく2種類あり、①カタログ品と②受注生産品です。
①のカタログ品は基本的に代理店(B社)から販売しています。
②の受注生産品はメーカー(A社)から販売しています。受注生産品は、打合せが必要なもので手間がかかりますし、ある程度深い商品知識も必要になります。代理店(B社)には受注生産品の取り扱いは難しいためです。
図にするとこうなります。
図のような基本があっても、お客様との打ち合わせの流れによって、最初は受注生産品として打合せをしていたものが、最終的にカタログ品を購入して頂くことになった、というケースも多くあります。その時、販売店(C社)への販売価格は、メーカー(A社)から買っても、代理店(B社)から買っても同じ価格にしています。
それを代理店(B社)は、「販売店(C社)への販売価格を上げたい」と言ってきたのです。
前述の通り、代理店(B社)が担っているのは注文書、納品書、請求書のやり取りのみです。
営業に関することは何もしていません。
商品自体も変わっていません。
原油高で原料コストがアップしたなど、何かの事情で商品価格が変わったわけでもありません。
何も変わってないのに、「販売価格を上げたい」と言ってきたのです。
その理由が「利益が無いから、もっと上げたいから」です。
何の理由もなく、ただ価格を上げられた方は、たまったものじゃありません。
ただの身勝手です。
信頼を失わないために
ある程度継続的に商品が流れている流通ルートが既にあり、例えば10%販売価格を上げたら利益が○○円増える、と考えたくなること自体は否定しませんが、その方法・案が最悪でした。
よく「三方よし」が良い商売と言われます。「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」です。
販売価格を上げるのは「売り手よし」のみです。しかも「売り手」はA、B、C社あるうちの1社のみです。
これではよくありません。
仮に代理店(B社)が勝手に販売価格を高くしたとしても、販売店(C社)はメーカー(A社)から全商品を仕入れるだけです。同じものを安く買えるとわかってるなら、販売ルートが切り替わるだけです。
図にするとこうなります。
結果的に代理店(B社)の売上が消えるでしょう。
そういったことを考えず、いちいちメーカーに問い合わせしてきて、「許可を得よう」としているのがタチが悪いです。代理店(B社)が販売価格を高くして、販売店(C社)に問い詰められ、怒られようものなら、「メーカー(A社)が良いと言った」などとして、責任をなすりつけてくるのが目に見えています。
もちろんメーカー(A社)は、「ダメ」と一発回答したようです。
そんな身勝手な代理店からは誰も買いませんよね?
身勝手は信頼を失います。
代理店(B社)がメーカー(A社)に相談した段階で、代理店(B社)は信頼性を疑われました。
だから信頼を失いたくないなら、身勝手は控えましょう。
まとめ
信頼を得ることも大事ですが、失わないこともまた大事です。
信頼を失わないための一つとして、身勝手を控えましょう。
良い商売は「三方よし」です。三方とは、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」です。
悪い人にならず、良い人・信頼される人になりたいのなら、信頼を失わないように気を付けていきましょう!
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