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パレートの法則を正しく使う

仕事ができる人になる

「パレートの法則」を聞いたことがありますか?

正確に覚えてはいませんが、私が知ったのは15年前くらいなので、自分の中では当たり前の言葉でした。もうかなり有名な言葉だと思っていましたが、知らない人がいると聞いて驚いた人がいる!ということを聞いて私も驚いたことを覚えています。

おさらいのために、パレートの法則について、書いておこうと思います。

また、間違った使い方をしないように、注意点も書いておきます。

パレートの法則は、80:20の法則


パレートの法則は言い換えると、「80:20の法則」です。

物事の80%は、重要な20%で決まっているということです。


よく使われる例だと次のようなものがあります。


売上の80%は、全顧客数の20%顧客が上げている。

売上の80%は、全社員の20%の社員が上げている。

売上の80%は、全商品数の20%の商品で上げている。

売上を利益に置き換えても同様のことが言えます。

仕事でやったことの80%の成果は、全てやったうちの重要な20%の内容でできている。

製品やサービスの重要な20%の設計をしっかりやれば、80%うまくいく。

ソフトウェアで使用されるコードのうち20%が、コード使用量全体の80%を占める。


パレートの法則を売上高を例にとり、図で表すとこのようになります。





だから重要な2割に力を注ぎましょう!ということが、「効率的に仕事を進める方法」とか「選択と集中」とかでよく言われます。


でもどんな法則も正しく使うことが大事です。

パレートの法則も例外ではありません。


一見、「重要な20%に集中すること」と聞くと、大事に聞こえます。

確かに大事なのですが、でも「残りの80%を放っておいてもいい」、と間違って解釈してしまう人がたまにいます。

重要な20%に集中することは、重要でない80%は手を付けないこととは違う、ということです。

手を付けないことは間違いです。


重要でない80%を放っておくとどうなるか

重要でない80%に放っておくとどうなるでしょうか?

先ほどの代表的な例で、検討してみます。


売上の80%は、全顧客数の20%顧客が上げている。

 →80%の顧客は放っておく

  →売上の20%が無くなる。



売上の80%は、全社員の20%の社員が上げている。

 →80%の社員は解雇する

  →20%の売上が無くなる以上のダメージを受ける。そもそも会社として運営できなくなる可能性がある



売上の80%は、全商品数の20%の商品で上げている。

 →80%の商品は売るのをやめる

  →20%の売上は無くなるし、それ以上のダメージを受ける可能性がある。80%の商品から20%の商品につながっている場合もある。



仕事でやったことの80%の成果は、全てやったうちの重要な20%の内容でできている。

 →80%の仕事はしない

  →仕事をしないと滞る。周りも困るし、仕事をしない人は最悪クビになります。



製品やサービスの重要な20%をしっかりやれば、80%うまくいく。

 →80%は製品を作らない。部品が無い。

  →そんな製品、サービスは、まともな製品、サービスになるとは思えません。



ソフトウェアで使用されるコードのうち20%が、コード使用量全体の80%を占める。

 →80%のコードは書かない

  →ソフトとして使用できる状態にならない。


赤字で書かれた部分を見て、どう思いましたか?

良くない結果になる可能性もあると思いませんでしたか?



全ての物事の80%は、重要な20%が占めているのかもしれません。でも重要な20と比べて、相対的に重要でない80%が無くても良いかというと、そうではないということです。例え比率的に重要性は低くても、なくてはならないということです。


そして仮に、その80%を無しにした場合、残った20%の中からまた重要な20%とそうでない80%に分かれるということです。だってそういう法則なのですから。

相対的に重要でない80%は、永遠になくならないということです。

また、重要な20%のみに目を向けて、80%を放っておくことは、完成度100%を求められているものに適用すると現実的に問題が起こる場合があります。

100%の完成度を求められているのに、80%しかできなかったら困ることが、世の中には多々あるわけです。

80%終わらせた後に残った20%の内、さらに80%を何とかしても、また4%残るのです。(20%×80%=4%)

これをいくら繰り返してもわずかに残件が残り、永遠に完成度100%にならないのです。

どんなに小さいことでも100%の完成度にしなければならないことは、世の中にあります。


例えば次のような場合です。

家を建てた時に「ドアが1枚ないのですが、それ以外の99.999%は終わっているのでお金を払って下さい」と不動産屋に言われたら、あなたは素直に払いますか?

車を買った時に「ドアを閉めると運転席上部のサンバイザーが落ちるのですが、それ以外の99%は問題ありませんから修理しなくていいですよね?」とディーラーに言われたら、あなたは何を言いますか?

パソコンを家電量販店で買った時に最初から「F1」のボタンが壊れていたとして、「でも他の99%のボタンは使えているし、F1のボタンなんて99%使わないから問題ないですよね?」と店員に言われたら、あなたは店長を呼びますか?


どれも全体から見れば、比率としては小さいことかもしれませんが、やらなくていいということではないですよね?


パレートの法則が言っているのは、ある物事を捉えたときに80:20に分かれると言っているので、間違った使い方をすると、大変な目に合います。

まとめ

パレートの法則は、80:20の法則です。

物事の80%は、重要な20%でできているという法則です。

重要でない80%は、相対的に重要でないだけで、放っておいてよいこととイコールではありません。

完成度100%が必要な場合は、どんなに小さなことでもやりきらなければならないことがあります。


パレートの法則は、重要なものを見極めたり、力を入れる配分を理解するにはわかりやすい考え方なので、あなたのやっていることを80:20に分けてみるといいです。

どこに力を入れたらいいのかを確認し、効果的に成長していきましょう!


あなたの成長のお役に立てれば幸いです。


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