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どんなに優れたシステムでも、最終的な付加価値を加えるのは「人」。人を大事しない会社に未来は無い

仕事ができる人になる

優れたサービスや商品を提供していくのに、優れたシステムは必要です。

ですがどんなに優れたシステムがあっても、それだけで最終顧客に付加価値の提供はできません。

最終的に付加価値を加えるのは「人」だからです。

「人」を大事にしない会社に未来はありません。

優れたシステムと「人」の関係を、例を示してご紹介していきます。

優れたシステムを持つコンビニの例

例えば、コンビニは上位10社の全国の店舗数が55,000を越えています(日本フランチャイズチェーン協会・2021年2月度のデータより)。

コンビニで売られている商品は基本的に全国どこでも同じもので、同じ価格で売られています。

同じコンビニなら同じサービスが受けられるように、手順や業務フローが明確化され、接客品質の差のばらつきをなくしています。全国に膨大な店舗数があり、その1つ1つの店舗について営業品質の差をある一定の範囲内に収めていくのですから、かなり優れたシステムが構築されています。並大抵のことではできません。優秀な方々が日々努力を積み重ねて、改善を繰り返した結果です。

そのように優れたシステムがあるコンビニですが、実際は同じシステムを使っていても、店舗によって売上が異なります。同じシステムで運用しているのに、店舗によって売上に差が出てしまうのはなぜでしょう?

売上の差は、商圏の人口の影響がかなりありそうですが、それだけではありません。店舗による売上の差、それは最終の付加価値を加える「人」の差があるからです。

要するに良い接客をしている店舗は売上が高く、逆の場合は売上が低くなるということです。

極論すれば、どんなに優れたシステムがあっても、最悪の接客をしているコンビニは、売上がなくなることを意味します。

挨拶しない、笑顔がない、無言で接客・・・こんな店には当然行きたくないですよね?

「人」によって売上が変わるので、同じ店舗でもアルバイトやパートさんの担当する曜日によって、売上が変わる店もあります。

お客さんからすると、「水曜のバイトは態度が悪いから少し遠周りしてもAコンビニに行こう。木曜のバイトは接客がいいから帰り道の途中のいつものBコンビニに行こう」となるわけです。

「人」が店舗の売上に影響を与えている例です。

どんなに優れたシステムがあっても、それだけでは最終顧客に付加価値を提供することはできず、リアルに存在する個人としての「人」が付加価値の提供に大きな影響を与えています。

最終的な付加価値を「人」が加えている別の例

最終顧客に付加価値を加えているのが「人」の例は、コンビニの他にも次のようなものがあります。

ホテルマン、ウェイター、営業マン、プロ野球、歌手、設計、エンジニアなど。

ホテルマンとウェイター、営業マンは、広い意味で接客業なので、コンビニと同じようにイメージが付きやすいと思います。

例えば営業マンなら、同じ会社でも担当が変わると売上が落ちる(上がる)のはよくある話です。

担当営業マンが変わるとそれまでの営業マンがどのような仕事をしていたのか、すぐにわかります。

信頼されていたのか、いなかったのか。

商品知識があったのか、なかったのか。お客さんが満足していたのか、いなかったのか。

そういったことがわかります。

周りから見ると何もしていないように見える営業マンで、それなりの数字を残しているような場合だと、パッと見で「あの人は何もしていないのに、楽なお客さんを担当していてずるい」となりがちです。

しかし実際は違うことがわかるのです。かなり複雑だったり、難しい案件を継続してやっていたりがわかります。色々なトラブルも乗り越えてお客様との信頼関係ががっちり構築されていることもわかります。

何もしていないように「見える」だけで、実際には「かなり高度な活動をしている」ことは多いです。「人」として付加価値を提供する努力をしていたということです。

「本当に忙しい人は、忙しいと言わない」とか「できる人は過度にアピールしない」とか「できる人ほど余裕がある(ように見える)」とか、よく言いますよね?そういうことです。

プロ野球、歌手も「人」が付加価値を与えている例になります。

プロ野球選手でバッターなら、ヒットやホームランなどで点を取るだけで良さそうですが、それだけではありません。ヒーローインタビューでの笑顔、コメント、リップサービスなども求められます。握手会なども同様です。無言だったり不愛想では務まりません。ファンから愛される選手になることで、選手個人としても球界としても売上が変わってきます。野球は得意で、笑顔は苦手かもしれませんが、努力して笑顔でいることでファンは喜びます。

球団として優れたシステムを構築し、選手の育成をしたり、チームを勝利に導いたり、集客活動をして試合を見に来てもらったりしていますが、最後に付加価値を加えるのは選手です。

歌手も同様に「歌」そのものだけを売るのではありません。個人の「人」としての魅力が、歌の魅力を後押しします。

設計、エンジニアも同様です。

優れた図面を描けたり、優れたシステムを提供できるだけでは売れません。

最終のお客様にどのような付加価値を提供できるか?が重要です。

コスト、パフォーマンス以外にも、将来にわたるメンテ性、使い勝手、わかりやすさ、素人にもわかるような丁寧な説明なども求められます。これは必ずしも必要ない場合もありますが、あった方が良い=あれば他社と差別化できる、という意味では付加価値です。会社から求められなくても、個人の「人」として努力して提供できることは、大いに売上を伸ばす付加価値になります。

人を大事にできない会社に未来は無い

このように最終的な付加価値を加えるのは「人」になります。

これは最後に決めるのは顧客で、顧客が「人」だからです。

顧客に付加価値を加える「人」は競争力の源泉にもなるので、大事にしない理由がありません。

ところが今は、年功序列や終身雇用が廃止される方向の議論が多いです。

今まで何十年も仕事してきた人たちを、単純に今見えているコストとパフォーマンスだけを見て、切ろうという動きが加速しています。

優れたシステムを導入し、コストとパフォーマンスを最大限にすれば、人の数は今までと同じ(あるいは減らして)で売上が2倍になります!みたいなことを言う人も多いです。

確かに企業は投入した資本をいかに効率的に増やすか?ですし、経営者はそれで評価されてしまうことも多い(これだけで評価されてしまうことも問題)ので、当然なのかもしれません。

しかしこれまで述べてきたように最終的に付加価値を加えるのは「人」です。優れたシステムだけで決まるのではありません。その個人の「人」としての努力が付加価値を加えます。その個人の努力があればこそ、その人は優れた個人となるのです。

年功序列を廃止!という大号令の元、経験豊かな優れた個人も含め「中高年だから」という理由でバッサリ切っていくことは、付加価値の源泉を企業が自ら手放すことに他なりません。

そのような優れた個人を大事にできなかったり、個人の努力を認めないような会社は、今は良くてもいずれ行き詰まるでしょう。未来はありません。

最終的な付加価値を加えるのは「人」なので、「人」を大事にする考え方、会社がもっと増えてくれると良い社会になると考えています。

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