あなたのいる世界あるいは組織が閉鎖的だと悩んでいませんか?
組織が閉鎖的だと、今と同じ状況がずっと続きやすいです。
同じ状況が続くのを、安定と言えば聞こえはいいかもしれません。
でも今が悪い状況だとしたら、悪い状況がそのまま維持されてしまいます。
誰でも閉塞感が漂う悪い状況より、いい状況の方がいいですよね。
これを書いている2021年10月現在では、三菱電機の品質不正問題が続いており、閉塞感や心理的安全性がない社風、隠蔽体質が問題だったという話が出ています。
きっと優秀な人がたくさん所属しているであろう、誰でも知っている大企業でさえ、閉塞感に関する問題を解決するのが困難だと示しています。
一方では、そんな閉鎖的な状況でも、組織を変えていく人たちがいます。
いい状況に世界を変える、言い過ぎかもしれませんが「ヒーロー」はどんな人なのでしょう?
古い世界が変わる1つの要因は、新しいものが持ち込まれたときです。
そして、新しいものを持ち込むのは、「よそ者」「若者」「バカ者」です。
だから彼らをヒーローと呼べるのではないでしょうか。
今回は古い世界を変える「よそ者」「若者」「バカ者」の話です。
あなた自身がもしかしたらヒーローかもしれませんし、周りにいる人がヒーローかもしれません。
「よそ者」「若者」「バカ者」は世界を変えたら「ヒーロー」ですが、変える前はただの人です。
もし近くにいたら、応援してあげて下さい。
よそ者が組織を変える

よそ者には既成概念がありません。
ありませんというか、違う既成概念を持っています。
「この組織はこれでやってきた」みたいな、その組織に属していれば当然知っているべき知識や慣習などがありません。
でも、よそ者は、他の世界で生きてきたので、生きる世界が変わると、みんなが当然知っていることは知らないけど、みんなが知らない別のことを知っている状態になります。
別の組織での普通と、今の組織での普通が違うからです。
例えば飲食店の普通と、IT業界の普通は、違うというように。
だから、別の組織のものを、今の組織に取り込むと、今まで変わらなかった古い世界が変わり始めることがあります。
よく、転職してきた人に「違和感を大事にしろ」と言います。
最初、別の会社から移り住んできた人は、新しい組織に違和感を感じます。
慣習が違うからです。
出勤時間、仕事の仕方、物品管理の仕方、上下関係、有給の申請の仕方など、ほとんど全ての慣習が違います。
最初はいちいち確認したり、考えながらやらないと先に進みません。
でもだんだん新しい組織に慣れていくと、それが普通になってしまい、違和感はなくなってしまいます。
違和感の中に古い世界を変えるヒントが眠っている可能性があるのに。
だから、最初に感じた違和感は大事にし、すぐには何もできなくても変えていくタネにします。
転職してきた人が感じる違和感は、最初から古い世界にいた人には気付かないことがあるのです。
日本でもよそ者が変えた例があります。
かつてアメリカはよそ者として、江戸時代に日本にやってきて開国させ、日本を変えました。
アメリカは太平洋戦争でも占領し、憲法を変えさせ、日本を変えました。
倒産したJALを復活させて変えたのは、よそ者の稲盛和夫さんです。
よそ者が組織を変えています。
若者が組織を変える

若者には若者の感覚があります。
時間的に経験不足な部分もあるかもしれませんが、小さな頃から触れてきたものは最先端です。
大人は今触れたものが最先端のものでも、大人になってから触れてます。
若者は若者の時に最先端に触れてます。
小さなころに最先端に触れるか、大きくなってから最先端に触れるか。この差は大きいです。
ある意味、英才教育みたいなものです。
歳の差が20年あると、20年早く教育を受けているってことです。
もう、とんでもない差です。
そして若者は感度が高いです。
好奇心にあふれてて、新しいものへの抵抗が少なかったり、やってみよう!と前向きだったりします。
時にはいきすぎて無謀なこともありますが、エネルギーに溢れているので、力技で乗り越えられたりします。
わかりやすい例だと、徹夜に近い状態で何日も働くことで、最後の追い込みをかける、みたいなことを若者ならできます。
効率よりもマンパワーで、力でやってのけてしまいます。馬力があるのが若者です。
50歳の人に同じことができるかと言われれば、そもそもやる気も無いかもしれないし、できる人の方が圧倒的に少ない事は容易に想像できます。
同じことができるなら、今の日本はこんなことになってません。
「追い込まなくてもできるようにするのが仕事だ!」とベテランの方に言われそうで、確かにその通りですが、若者は追い込めます。
若者は先入観も大人ほどないので、どんどんチャレンジしてパワーで押し込んでいける若者は、組織を変えます。
若者が世界を変えた例もたくさんあります。
幕末の若い人たちが江戸を明治に変えました。
藤井聡太さんはAIを使って将棋を学び、将棋の世界を変えました。
ソフトバンクの孫正義さんは23歳で起業。日本にインターネットを広め、日本を変えました。
バカ者が組織を変える

バカ者はバカなので普通のやり方でない、突拍子もないやり方を思いついたりします。
バカと天才は紙一重といいますが、うまい方向に転がると、組織が変わる方向にいきます。
バカなので普通の人が途中でやめてしまうところを、突き進んでいってしまう場合があります。
でもそれが功を奏し、壁を突破してしまうのです。
みんながやめろということを、やり続けるバカさ加減が、意外と組織を変えたりします。
バカ者は、字も読めない、計算もできないというような、一般的にイメージされるバカではありません。
他の人ならやらないこと、やり続けられないことをし続ける、「○○バカ」です。
世界を変えた人たちは、何かに集中し続けた○○バカです。
オリンピックに出るアスリートは、そのスポーツに集中し続けた「スポーツバカ」です。
ノーベル賞を受賞した学者は、その分野に集中し続けた「研究バカ」です。
会社を興して成長や規模の拡大をし続けた人は、会社の仕事に集中し続けた「仕事バカ」です。
このように何かに集中した人が「バカ者」が世界を変えています。
バカ者が世界を変えた例もたくさんあります。
エジソンは頭の良い子でしたが、先生を質問攻めにして学校を追い出されました。電球を発明するとき、失敗を20,000回しました。でもやり続けて、電球を発明して、世界を変えました。
ダイソンは扇風機から羽を無くして、家電の世界を変えました。
スティーブジョブズは大胆な発想と、狂ったような実行力でiPhoneを作り、世界を変えました。
また、本来の意味ではバカではないと思われますが、世間一般的、大衆的に見ると「バカ者」も世界や組織を変えることがあります。
例えば、組織のタブーに触れて、それに触れると自分の身が危ないのに、それが組織の未来にとってはいいこと、必要なことだからと言って、あえて触れる人がいます。
当然その人は大きなダメージを受けるのですが、結果的に組織に新しいものができて、組織が変わります。
バカ者個人にはマイナスの影響ですが、組織全体にはプラスの影響です。
部分最適の考え方の人は、個人がマイナスの影響を受けることを決して良しとしません。
だから「ヒーロー待ち」になって、誰かがやってくれないかな・・・みたいな考えになります。
で、自分では何もしないし、言わない。
そして文句や批判だけは影でコソコソ言い続ける。
安全なところから何を言っても相手にされませんし、何も変わりません。
しかし、全体最適を意識している人は、一時的に個人的マイナスの影響を受けることで、全体が良くなるなら・・・と個人的ダメージを受けられます。
黙っていれば個人的にプラスの影響になるのに・・・と、周りからみると完全に「バカ者」です。
バカ者が変えた例もたくさんあります。
三菱電機の不正問題で内部告発した人は、三菱電機を変えることになるのでしょう。
三菱自動車のリコール隠しを告発した人は、三菱自動車を変えました。
日産のカルロス・ゴーンの有価証券報告書の虚偽記載を明らかにした人は、日産を変えました。
まとめ
閉塞感や世界や組織に不満を持つ人はたくさんいるでしょうが、自ら変えようと思う人は稀です。
変える力なんて・・・自信も権力も実力も無いと思っているからです。
たいていそんなものです。
だから結局、みんな「ヒーロー待ち」です。
ヒーローってカッコよく登場して、悪い奴をやっつけるイメージですが、組織を変えるのは意外と、よそ者、若者、バカ者です。
イメージとはちょっと違うかもしれませんが、あなたの周りにそうなりそうな人がいたなら、ちょっと応援してあげたらどうでしょう?
意外と組織を変えてくれる「ヒーロー」になるかもしれません。
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